一般社団法人ダイアロゴス

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日付: 2023年2月13日

多様性との共存を考える6 充実感と今年の抱負

2023年初めてのブログ更新です。あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今回のブログは、30歳を目前とした私が抱える漠然とした疑問と今年の抱負についてのブログです。充実感という、とても個人的な感覚についてです。

忙しければ思考停止ができます。また、その際に自分が希望する方向性への変化があり、それが自分の努力によるものであればより充実感を得ることができます。

昨年度、私は社会福祉士になるための勉強をしていました。そのときは充実感がありました。「国家試験に合格する量の知識を身につける」という、自分が希望する方向への変化に向けた努力で忙しかったからです。

思い返せば学生時代も、進学や就職などさまざまな目標を設置しやすい環境にありました。限られた学校や学部の中から進行方向を選び、環境に適応するための努力をします。そしてそれを「成長」と呼んできたのだと思います。成長。輝かしい響きです。なんとなくいつもやるべきことがあり、それををこなせば良い方向への変化があるということに対する疑問を持つことはありませんでした。

それが、年齢を重ねるごとにそうでもなくなってきているのです。

忙しく、やることが多ければ何か良いことがあるのかというとそうでもなく、仕事をするという環境に適応するということはタスクのひとつにはならなくなってきています。

というか、もともと学校や職場など、環境に適応するという変化があまりにも重視されすぎてきたのだと思います。コロナ禍を経たことでより多様な働き方が社会にも浸透し、その評価軸は今後もどんどん弱くなっていくのではないでしょうか。ソーシャルスキル・トレーニング(SST)など社会生活に適応するための対人関係を構築するスキルの訓練もありますが、マジョリティに合わせていくことや汎用性の高い人間になることだけを目的の中心にする必要はないと考えています。それぞれの自己理解が深まる機会を生み出すことや、社会がどんな変容をすればより多くの人にとって活躍の機会ができるのかという点も専門職としては考えていきたいと感じます。

少し個人的な話に移ります。30歳を目前にして同世代は新たな変化をプライベートに見出す方が多くなってきています。結婚、出産、育児。きっと皆忙しくなり、充実していくでしょう。これらを経験する自分を想像します。(まずそうできるのかという疑問点は一旦置いておきます。)充実の要因にしていく中心が自分ではなく他人になっていくことが想像しがたく、とても怖いのです。だからといってこれから他に自分単体の人生に変化を希望する部分は明確になく、これらを経験しない選択をすれば淡々と毎日を安定した形で送ることができるでしょう。それもまた怖いのです。変化を希望しないのに、充実感がほしい。進んでいる感覚が欲しい。贅沢な悩みかもしれませんね。変化を嫌がりながらも変化を求める、矛盾を抱えているのかもしれません。そんな焦りをうまく昇華するため、自分の人生の中で仕事を都合よく位置付けているような気がします。仕事で何かが進むとなんだか充実感があり、思考停止できる感覚があります。そんなとても個人的な生きる感覚のため、いわば自分のために仕事をするという要素はきっと誰にでもあるのではないでしょうか。

私という人間一人が安定した形で日々を送っていると、安心してくれる誰かがいます。皆、関わる周りの人に気を配り合っているのだと思います。ですので今年は私個人の充実感はさておき、特に周りが驚くような変化もなくこれでええんかな〜と思いながら過ごす普通の29歳として生きようと思います。刺激のない毎日でも感情が揺さぶられるとなんだか充実したような気分になるので本を読むことが増えました。私の人生は何も変わりませんが、自分を騙しながら流されるようにてきと〜にやっていこうと思います。

田上(ポリフォニー・社会福祉士)