日付: 2019年1月10日
自己覚知とは② 自己覚知の伝え方と技術?
自己覚知は「専門職としての自己認識」とするならば、さらに理解を深めるとすると、専門職はどのように自己認識や自己理解を深めているのだろうか。
自己覚知を専門職教育的に考えると、山辺朗子は自己覚知には2つの種類があるとし「自己覚知には専門職としての自己を理解し、意識化する『専門職業的自己覚知』と、専門職として自己の基盤となる個人的な自己のあり方を理解し、意識化する『個人的自己覚知』がある」としている。
「専門職業的自己覚知」にはスーパービジョンが効果的であるし、「個人的自己覚知」には、精神分析(教育分析)、自己洞察、グループセラピーなどが方法として考えられる。
よって、社会福祉士養成における相談援助演習などの科目によって、両方の側面から「専門職業的自己覚知」には社会福祉士の倫理綱領などから紐解いていき、「個人的自己覚知」においては、初学者向けなので精神分析と言わないまでも、自己理解のワークショップ形式のプログラムが組まれる場合が多い。
僕は、専門職としては「専門職業的自己覚知」の方が重要だと考えており、倫理綱領で示されるような公式な行動規範、基準だけでなく、専門職がどのように自己自身を把握しているかという事が、「自己覚知」には含まれており重要だと考えている。
ただ、「自己覚知」をより深めるプログラムでは、事例学習が必要となり実施しているが、ケースの見立てやトリートメント方法に主眼が置かれ自己覚知を系統立てて説明することは時間的な制約もありとても難しく、実際には、それぞれがソーシャルワーカーになった後に、現実のケースにあたりながら、向上心をもって深めていっているのが現状なのだろう。
自己覚知の技法は、ケースを現場で当たっているソーシャルワーカーには、各々、様々な方法で「専門職業的自己覚知」、「個人的自己覚知」の技法をもっている。
技法として伝えにくいのは、おそらくケース展開中に行動している自分を、眺める目線である「メタ認知」と深く関わってくるのだけども、その時の思考方法は、アート(職人技術)的な要素が多く、言語化することがとてもむすかしい。しかし少しでもそれを言語化していく必要があって、僕自身にもいくつかの考え方があって、それを次回以降に書いていきたいと思う。
坂根 匡宣