一般社団法人ダイアロゴス

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日付: 2019年2月2日

自己覚知④ 就労継続支援A型のワーカーに必要な自己覚知へのヒント

現実体験との不一致と折り合い

人は産まれてからすぐ現実体験との折り合いをつける課題が与えられる。
おそらくそれが生きるということなのだろう。

でも、その折り合いのつけ方がよかったりわるかったり、そもそも何がよくて何が悪いのかもよくわからないのだけども、赤ん坊の時からなんだかんだといって折り合いをつけているしついている。

折り合いのつきかたがどうも具合がわるい時や、折り合いがつかない時は非常に辛く苦しい。時には心が壊れてしまう。

またその折り合いの悪さを、また別の折り合いのつけ方で解消していくので、大人になる頃には大体縺れた糸みたいになっている。
その縺れた糸みたいにになっているのを、全体から眺めたり、一本一本の縺れをほどいてみたりするのが自分を自覚するということであり、人として成長するいうことなのだ。

人は無意識に他の人の折り合いをつける様をみていて、自分の折り合いのつけかたの参考にしている。それは近しい人や信頼している人との対話によって自然と取り入れる。

そして成長し、よりよく生きる。

ソーシャルワーカーになると、さらに複雑になる。

ソーシャルワーカーは自分の価値感が支援に影響することは否めないが、個人的価値感を押しつけないように、自分の価値感を一旦棚に上げる。
しかし、ややこしいのがソーシャルワーカーはジェネラリストなので、ソーシャルワーカーという立場と同時に様々な立場・状況の中で仕事をすることになる。

障害福祉サービス 就労継続支援A型のワーカーに必要な自己覚知へのヒント

そもそも社会福祉の対象者はいろいろな立場をもっている。そして対象者の立場は多様かつ柔軟に変化する。
例示すると、
・市民
・利用者
・消費者
と分ける考え方があるが、就労継続支援A型事業所の支援対象者としてはさらに「労働者」としての立場が加わる
さらに就労継続支援Aは一緒に働いていく要素も強く
部下・上司・同僚
という利用者の立場が一定ではなく常に変化している。

そしてソーシャルワーカーはその変化に合わせて、自らの立ち位置や振る舞いを調整する必要がある。自分の立場によって、価値感も変化させなければならず、今、自分がどの立場で対象者と関わっているのか、非常に高いセルフモニタリング能力を要求される。言い換えると自己覚知する能力をフルに使う必要がでてくるのが、就労継続支援A型のソーシャルワーカーだという事になるだろう。

対象の複雑さや立場の変化は、その都度、折り合いがいいときもあればわるい時もあり、心の縺れもより一層に複雑になる。
この自分の置かれている、対人援助上の立場の複雑さは、ストレスがかかるし、言い換えるとやりがいのあるソーシャルワーク業務と言えるのかもしれない。

それを、自己認識する能力は、専門職としての自己認識であり、自己覚知の技術と言える。

※セルフモニタリング能力の低いタイプの人はではどうすればいいのか?
逆いろいろな立場でのスペシャリティを高めていくこと。
例えば、営業、経理事務、企画力、職人技術。
何かを高めていかないと職になってこない。と思う。

坂根 匡宣