一般社団法人ダイアロゴス

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日付: 2023年6月13日

多様性との共存を考える7 失敗経験を自己理解に変えていく

4月から新年度が始まり、この職場で働き始めて1年が経ちました。自分の中から素直さやフレッシュさがどんどん消えていっている感覚がありますが、時折気にしたり気にしないようにしたりしながら日々働いております。

この仕事をしていると人が自分を受け入れなければならない現実に直面する瞬間、お腹をパンチされたように「うっ…」と苦しむ瞬間を何度も目の当たりにします。反応は人によって、また状況によってさまざまです。真正面から受け止めてぽろりと涙が出る人、1日なんとなく落ち込んでしまう人、言い訳をする人、気にしないふりをする人。どの反応にも、なんとなく感情の動きが見え、その度に、新卒で働き始めたときの自分の経験を思い出し、共感してしまうのです。

私は新卒として働き始めた当初、とにかく人と関わるということに自信がありませんでした。例えば資料作成を依頼されたとき、どこがわからないかも理解できず、誰に相談したらいいかもわからず期限が来てしまい、できませんでしたと言うのも怖い。期限が過ぎているのにあがってきていないことに先輩が気づき、怒られる。こんなレベルでした。「なんでできなかったの」と聞かれても説明もできないのです。どこで躓いているのか自分自身理解できていない状態です。潜在的に能力があったとしても、躓きを理解し、適切に対処できなければ仕事に反映することができません。仕事ができる、できないといった評価もそういった表面的なものでもあり、紐解いて解決をしようとすると根深く自分と向き合うこととなります。

先輩は皆できなかったことがいかに良くないかということや、学生気分が抜けていないといった注意をしてくれました。それを聞くことでしっかりしなきゃという気持ちにはなりましたが、何から努力すればいいかはそれだけではわかりません。どこに躓いたかは結局自分にしかわからないのです。私はノートに書き出しました。

資料作成が間に合わなかった

どこがわからないかも理解できなかった

とりあえず誰かに相談すべきだった

なんか怖くてできなかった

一番言いやすいのは○○さんなのでとりあえず話してみる

どこでどうすべきだったか、これからどうすればリカバリできるのかを落ち着いて書き出すようにすると質はともかくなにかしらワンアクションを起こすことができます。

ただ、この作業は自分の未熟さを直視する作業でかなり精神的にすり減るものではありました。せめて自分を甘やかそうと、休みの日、カフェで美味しいケーキを食べて1時間ぐらいぼーっとして「よし、やるか…」とノートを取り出して記入していました。

そんなこんなで3年ぐらいやっていて、職場の人との関係性ができて人が怖いという感覚がだいぶなくなりました。まじめに仕事と向き合い、困ったことは人に頼っていれば自分自身にできないことがあっても仕事は回せるし信頼もしてもらえるのだと理解できるようになりました。

そのあたりから自分は致命的にこの分野がダメだからうまく回避した方が良い、ということもわかるようになってきました。(笑)

また、自分ができないことを受け入れられるようになると、自分ができることにも目を向けられるようになりました。できる・できない→嬉しい・悲しいという感情に支配されてしまうことから抜け出し、自分自身を今までより客観視できるようになったと言えるかもしれません。

人が自分を受け入れなければいけない現実に直面している瞬間を目の当たりにすると、カフェでこのあと向き合わないといけない現実からほんの少しだけ目を背けるように食べたケーキの味を思い出します。それがお腹をパンチされるような痛みであったとしても、それが自分を理解し、自分を受け入れ、自分を活かす出発点になることを心から願い、対話をしたいと思うのです。

田上(ポリフォニー・社会福祉士)